シンガポールの労働法
従業員を解雇する際の制度
日本では、従業員を解雇する際には、少なくとも30日前に予告するか、しない場合には30日以上の平均賃金を支払わなければならないという法制がありますが、シンガポールにも解雇する際の法制度があります。総じて、雇用者有利の制度となっています。
最大の特徴は、解雇予告期間等を守っていれば、解雇に理由は問わないというところです。しかし、不当な解雇に対する異議申し立て制度がありますので、不用意な解雇は避けるべきです。
また、事業縮小等により整理解雇を行う等会社都合での解雇の場合も通常と同様労働者に対して予告期間は必要となり、さらに、解雇手当の支給が必要となります。勤続年数2年以上の者にはこの解雇手当の請求権があります。
シンガポール解雇制度の概要
① 解雇の際、解雇理由は問わない | ⇒ 解雇の手続き自体を守っていれば、解雇の理由は特に問われることなく解雇可能です。 |
② 雇用契約解除の予告通知 | ⇒ 解雇時には、契約解除の旨を労働者に一定期間前に通知する必要があります。 |
③ 予告通知期間については、基本は契約による | ⇒ 契約で定めていない場合には、法定の期間になります。 |
④ 解雇予告期間分の賃金を払えば解雇可能 | ⇒ 予告期間分の賃金を払えば即時解雇が可能となります。 |
⑤ 解雇制限もあり | ⇒ 以下の解雇は禁じられています。 産前産後休暇中の解雇・労組の結成を理由とする解雇・兵役を理由とする解雇 |
≪法定解雇予告期間≫
雇用期間 | 解雇予告期間 |
---|---|
26週間未満 | 1日 |
26週間以上2年未満 | 1週間 |
2年以上5年未満 | 2週間 |
5年以上 | 4週間 |