アメリカの労働法
アメリカにおける労働法
アメリカでは、各州が連邦とは別に独自の憲法を制定しており、アメリカにおける雇用・労働に係る諸規制においても、連邦が定めるものと州が定めるものとに分けられます。(連邦は、基本的に州際通商にかかわる事項についてのみ規制権限を有することとなります) 連邦と州の両方で重複して規制されている事項としては、労働時間、最低賃金、家族・医療休暇、安全衛生、集団的解雇、差別禁止等があります。 現地の労働関連法令は必ず連邦法に加え州法も押さえておく必要があります。
【労働者保護法制】
アメリカにおける連邦労働者保護法制としては、次の法令が挙げられます。
公正労働基準法(Fair Labor StandardsAct: FLSA)
職業安全衛生法(Occupational Safety and Health Act: OSHAct)
家族・医療休暇法(Family and Medical Leave Act: FMLA)
公正労働基準法(FLSA)は、①最低賃金、② 1 週間当たりの法定労働時間を超える労働時間に対する時間外労働手当の支払い、③年少労働について規制しています。また、職業安全衛生法(OSHAct)は職場における安全衛生基準を定め、家族・医療休暇法(FMLA)は一定条件を満たす被用者に一定の理由による休暇取得の権利について定めています。