アメリカの労働法
2015年のカリフォルニア州の雇用法改正
日本人赴任者も多く居住するカリフォルニア州は、労働者に配慮した法整備が進められており、2015年も有給病気休暇の義務化など、さまざまな雇用法改正が行われています。一部は既に発効しており、当地の日系企業は注意が必要です。主な改正点を次のとおりご説明します。
有給病気休暇の付与義務
対象:カリフォルニア州内で勤務する社員
内容:30時間の労働時間ごとに1時間の有給病気休暇(時間)を付与する必要あり
※社員は自分自身と、家族の健康管理を目的として使用することが可能
その他留意点:雇用主は休暇の使用を最低2時間単位で認めなければなりませんが、年間の休暇付与の上限を48時間または6日間、使用の上限を24時間または3日間と定めることができます。※休暇を申請する従業員に対する差別行為や報復行為などは禁止されています(7月施行)。
管理職へ行わなければならないセクシュアルハラスメント教育の内容が拡大
対象:50人以上の従業員がいる企業の雇用主
内容:これまでも州内で勤務する全ての管理職に2年に1度のセクシャルハラスメントに関する教育とトレーニングの受講が義務付けられていましたが、今回の改正でトレーニング内容に虐待的行為(雇用主や従業員が職場で悪意、敵意、攻撃的意図に満ちた行為を行うこと)の予防が盛り込まれました。 日本と同様、アメリカでもハラスメントの防止には力を入れており、現地のハラスメント事例などを赴任者に伝えておくことも重要です。
気温が高い日の休憩を労働時間として取り扱う
対象:気温が高い日に屋外で働く労働者
内容:気温が高い日の屋外労働者に対し、最低5分間以上の休憩が義務付けられていましたが、当該休憩の取り扱いについて、労働時間として扱われ、賃金支払い義務が生じると明確化しました。
これらのように、日本では考えられない休憩時間の義務などが州ごとに定められていますので、事前に必ず州の法律は確認しておきましょう。